XM(XM Trading)でスワップポイント狙いは有り?
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スワップポイントとは
スワップポイントとは金利差調整額のことで、2国間の金利差から得られる利益です。
FXでは種類の異なる法定通貨を売買し、エントリーから利益確定までのポジション保有時間の間の金利差について、ポジションを維持した日数分加算されます。これがスワップポイントです。
日ごとに精算が行われるため日をまたいでポジションを保有すると発生し、ポジション保有中は毎日受け取ることができます。
発生したスワップポイントは損益や含み損益に自動で加算されていきます。どのくらい加算されるかは業者によって異なっており、単純に政策金利から算出されている訳ではありませんが少なからず影響は受けています。
日本の金利は世界的に低い水準なので金利の高い通貨を買うことで差額利益が発生します。反対に金利の高い通貨を売った時や日本より金利の低い通貨を買った時には支払いが発生してしまうので注意が必要です。
スワップポイントは金額こそ大きくはないですが、毎日付与されるのでロット数が大きくなるほど、保有期間が長くなるほど利益に大きく影響して来ます。FXトレーダーの中には、スワップポイントだけで毎月10万円以上稼いでいる人もいます。
2015年12月から始まった米国の一連の利上げの結果、政策金利が2.25%~2.50%となりました。日本の政策金利は-0.1%とマイナス金利なので日米の金利差が11年ぶりに拡大したと話題になったのです。
このように金利差が大きな通貨ペアではスワップポイントも比例して多くなります。
1つ注意が必要な事を挙げるとすると、新興国通貨で高金利なものがありますがこの値だけで飛びつくと危険です。
こうした国は政治情勢の不安定だったり通貨の市場での取引量が少なかったりする事が多いので、相場が乱高下しやすくなっています。
スワップポイントを得るには安定して中長期ポジションを持ち続ける必要があるので、金利やスワップポイントの値の高さだけでなくその通貨の特徴や政治情勢等を加味する必要があります。
結論から言うとXMのスワップ狙いはオススメしない
XMのスワップポイントを確認するには公式HPの取引条件の一覧表を見るのが早いです。口座タイプごとに各通貨ペアのスプレッドやスワップポイントが一覧されています。
個別の通貨ペアのスワップだけ知りたい場合にはXMの計算ツールからも確認できます。
スワップポイントはリアルタイムで変動しているので、その時その時の値を知りたい場合はMT4/MT5のアプリから確認する必要があります。いずれも簡単に確認できるので取引前に確認するのが良いですね。
公表されているスワップポイントを見ると結構マイナススワップとなっている通貨があるのが分かります。買っても売ってもマイナスになる通貨ペアも多く存在しているので、スワップ狙いにはお勧めできません。
XMでスワップ狙いをオススメしないその理由は?
XMでスワップ狙いをオススメしない理由は2つあります。
ひとつずつ見ていきましょう。
両建てすると必ずマイナスになる
1つめは、両建てでエントリーすると必ずマイナスになる事です。
両建てとは買いのポジションと売りのポジションを同時に持つことですが、どちらかがプラスのスワップポイントになっている通貨ペアでもマイナススワップの絶対値の方が大きくなるように設定されています。
そのため同じ大きさのポジションを両建てで保持した場合に確実にスワップポイントで損する仕組みになっているのです。
使える戦略が1つ減ってしまうので取引としては不利になります。スワップポイントはFX業者が独自で設定していて値が異なるため、別のFX業者とXMで両建てしてプラススワップが残るようにすれば良いと考えるかもしれません。
しかし業者間での両建て取引は禁止されているので、これをやってしまうと規約違反になってしまいます。規約違反するとの出金拒否をされたり最悪の場合口座凍結されてしまうので注意しましょう。
スワップポイントが大きい通貨ペアは不利になるように設定されている
2つめは、スワップポイントが大きい通貨ペアは不利になるような条件や制限事項が多い事です。
スプレッドが広かったり最大レバレッジが制限されていたりします。スプレッドが広いと、せっかく得たスワップポイントも相殺されてしまいます。
ショートポジションのプラススワップを1週間保有して、ようやくプラスマイナスゼロになるくらいの通貨ペアも存在します。
またスワップポイントを大きく設定されているのは値動きの激しい通貨のみで、主要通貨ペアのように長期保有するのが難しいものが多いです。
値動きが激しいと短時間で数百pips動くことは珍しくないので、自分がポジションを保有しているのと逆の方向へ動けばスワップポイントで得た収益は簡単に相殺され利益はマイナスになってしまいます。
こうした値動きの大きさを考慮して、いくつかの通貨ペアでは最大レバレッジを制限されています。
XMの最大レバレッジは1000倍ですが、こうした通貨ペアの場合は100倍以下に制限され必要証拠金も大きくなります。
これらの理由からXMでのスワップ狙いの取引はオススメしません。
XMでスワップポイントが高い通貨ペア
オススメしない理由として上げたスワップポイントが高い通貨ペアについてもう少し具体的に説明したいと思います。
<2019年7月でショートスワップの大きい通貨トップ5>
- EURTRY(ユーロ/トルコリラ)
- USDTRY(米ドル/トルコリラ)
- EURZAR(ユーロ/南アフリカランド)
- USDMXN(米ドル/メキシコペソ)
- EURRUB(ユーロ/ルーブル)
EURRUB以外はどれも100ポイント以上となっています。
ただ、トップ1、2にランクインしているトルコリラは2018年に急落した事で記憶に残っている人も多いと思います。
19円台前半から17円台までたった8分の間に暴落しました。下げ幅は約2円で、暴落から1時間後には18円台後半まで戻しました。
余程証拠金に余裕がないとこんな急な値動きには耐えられませんので、スワップポイントが高いという理由だけで安易に手を出せるようなものではありません。
トルコリラ以外のスワップの大きな通貨ペアも南アフリカランド、メキシコペソのような新興国の通貨です。
南アフリカランドは2018年にトルコリラの急落やアメリカの金利引き上げに伴って下落したように、他国の影響を非常に受け易い通貨です。
メキシコペソに関しても政情不安やアメリカとの関係で不安定な通貨です。
ロシアルーブルは2018年8月に5%近くも急落しました。「米議会がロシアに対する新しい経済制裁法案を準備している」と報じられたことが原因です。さらにルーブルはスプレッドが最も高い通貨ペアにもランクインしています。
このようにスワップが高い通貨ペアにはその背景に理由がありますので、それを理解した上で取引することが必要です。
XMのスワップポイントについてまとめ
XMはスワップ狙いのトレードをするにはあまりオススメできる環境とは言えません。
スワップポイントの設定がそこまで他のFX業者より優位という訳ではないからです。
また両建てすると必ずマイナスになるようスワップポイントが設定されていますし、全通貨ペア内でスワップポイントが高いものは通貨リスクの高いものが多くなっています。
そのため、スワップポイント単体で見るとポイントが高いように見えても、スプレッドが広かったり最大レバレッジが規制されていたりと他の要因も関与してきます。
それ以外の主要な通貨ペアに関しては他のFX業者と比べて特に優位性があるという訳ではないので、スワップ狙いで新たにXMの口座を開こうと考えている人にはオススメできません。